【イベントレポート(後編)】松山市内企業と複業人材が “チームを結成” して成果を創出する「共創プロジェクトプログラム」の成果発表イベントを開催

本年度、だんだん複業団では松山市内企業と複業人材(以下、団員)がプロジェクトチームを結成し、3ヶ月間で成果物の創出を目指す「共創プロジェクトプログラム」を新たに取り組んできました。

本記事は、2023年10月からのワークを経て、2024年1月27日に松山市内で開催した成果発表イベントの後編レポートとして、成果発表プレゼンテーションに対するQ&Aと企業と複業人材による共創の可能性についての考察などをお届けいたします。

▼前編レポート(プログラムの概要やプロジェクト参加企業の紹介、成果発表プレゼンテーションの内容)はこちらになります。
https://dandanfukugyodan-matsuyama.jp/report-cocreationproject01

プレゼンテーションに対するQ&A

2チームからのプレゼンテーションを聞いた上で、プロジェクトの取り組みや成果をQ&A形式で深掘りしていきました。

Q. (大学サポートチームへ)3ヶ月間のプロジェクトで一番難しかったこと

大学サポートチーム 団員・土屋さん)
PBLといってもいろんな捉え方ができて、取り組みする幅も広い。同じ課題を提供するにも、文系・理系で異なるかもしれない。そういった細かい要素も踏まえながら議論するのはすごく難しかったです。議論が進んだと思ったら、また戻ったような感覚もあったので、ゴールを意識するともどかしかったですが、行き来したことによって理解や考える視野は広がったのはすごく良かったです。

Q.そういった難しさがある中で垰社長はどのようなことを意識してインプットをしたり、メンバーと共通認識を合わせてきましたか?

大学サポート・垰社長)
形があるものではない無形商材を扱っていて、オンラインでのプロジェクト進行ということで、どのように伝えれば理解を進められるかは頭を悩ましました。そのような中でも、私はわかっていただけるまで説明する、わかっていただけるように説明するのを愚直にやり続けました。そこを諦めてしまってはこのプロジェクトは前に進められないと思っていました。

Q. (ディライトアップチームへ)3ヶ月間のプロジェクトで一番難しかったこと

ディライトアップチーム 団員・髙石さん)
メンバーそれぞれ得意なことがあって、いつもしていることがある。そんな異なる環境にいるメンバーが一つの課題に向かってみんなで考える。すごく難しいと思いながらも、進んでいく過程は面白い、両方の感覚を持ちながら取り組んでいたなと感じています。

ディライトアップチーム 団員・清水さん)
キャッチコピーを決めるところは、すごく時間がかかったので難しかったです。パプリカの魅力がたくさんあり、各々の感じるところもあった中で、どう絞っていくのか。最終的には一番わかりやすくて、入りやすい表現は何かなという軸ができて、決まってきたのかなと思います。

ディライトアップチーム 団員・水野さん)
オンラインでの初対面同士というところで、最初は遠慮してしまう部分もあって時間が過ぎてしまうなんてこともありました。普段の本業もある中で、夜の限られた時間の中でワークをしてきたので、私が主に担ったタイムマネジメントやプロジェクトマネジメントはとても難しかったです。

Q.そういった難しさがある中で森川さんはメンバーのことをどのように見ていましたか?

ディライトアップ・森川さん)
議論が進む中で軸がぶれてしまう瞬間もあったと思うのですが、そんな時に私も参加していたので、自身の考えや要望をきちんと伝えられたのは良かったなと思っています。それ以外は、皆さんが会をサクサク進めてくださって、資料にすぐ落とし込んでくださるので、後で見返すこともできました。普段と違う仕事の仕方や進め方を目の当たりにして、勉強になることばかりですね。

Q.大学サポートチームはディライトアップチームに比べて人数が半分でしたが、そのあたりで苦労した点はありましたか?

大学サポートチーム 団員・土屋さん)
私自身は人数が少ないから困ったということは特にありませんでした。それより人数が多いとそれだけ意見を拾って整理しなきゃいけないと思うので、逆に苦労していたんじゃないかなと思います。ワーク期間中も個別で別途時間をつくって議論する日も設けて、それでも今回当初のゴール設定までは届かなかったので、人数以上に時間で苦労した印象でした。

Q.企業視点で、人材と複業として1対1で進めるのと、今回のようなプロジェクトチームで進めるのに、何か違いは感じましたか?

大学サポート・垰社長)
複業として仕事を依頼しているわけではなく、自社のプロジェクトに金銭的報酬がない形で参画してもらっているので、コミュニケーションの仕方は変えなくてはいけないと思いました。さらに、プログラムとしてのワーク回数も決まっていて時間的制約がある中で、複数名のメンバーと進行でしたので、その辺りのコントロールも違いを感じました。
その一方で、仕事の関係性でないから逆に自由に意見が言いやすい雰囲気があって、それぞれの経験や立場を前提に思っていることを発言するようにしていたので、インタラクティブなやり取りをする機会をこのプロジェクトでは経験することができました。また、成果物のゴールは設定しましたが、進めていく中でそこがプレッシャーにならないようにハードルを下げて、ディスカッションに集中できる環境にしたこともありました。

ディライトアップ・森川さん)
今回のプロジェクトにおいてはコミュニケーションや情報共有量が1対1の複業より圧倒的に多かったですよね。私自身、Slackを使うのが初めてで、メンバーからどんどん飛んでくる情報に追いつくので必死な部分もありました。それだけ思いを持ってプロジェクトに関わってくださっているんだなと思いましたし、今日の発表を聞いてさらに「ちいあま」展開しなきゃって、良いプレッシャーをいただけました。

Q.人材視点で、企業と複業で1対1で進めるのと、今回のようなプロジェクトチームで進めるのに、何か違いは感じましたか?

ディライトアップチーム 団員・福島さん)
どこまで責任感を持って関わって、提案すれば良いんだろうというのは当初悩むところがありました。ただ、関わっていく中で、森川さんが最終的に「うん、いいね」と思えるものにしないと、プロジェクトの意味はないと思ったので、その思いはどんな形での関わり方でも同じなんだなと思いました。あとは、一人でやっているわけではないので、みんなで最終的にまとめる方向に落とし込めたので、チームの力に支えられたなと思いました。

ディライトアップチーム 団員・小野さん)
今回、ご一緒したメンバーはそれぞれ得意なことも違う中であったのですが、不思議と忌憚のない意見を言える感じで、みんなで良いものをつくろうという雰囲気があったと感じています。そこは人と人の関係性なので、そこに報酬があるのか、ないのかは関係なくて、いいチームで3ヶ月やり遂げることができたのかなと思います。

市内企業と複業人材による共創の可能性について

続いて、事務局・萬里小路より、今回のプロジェクトの総括する形で、「市内企業と複業人材による共創の可能性」についての考察を共有し、参加者とインタラクティブに意見交換を行いました。

「前段として、今回、事務局から団員に対して、プロジェクトに応募するにあたってとプロジェクトを進行するにあたって、それぞれ3つの前提条件を提示しましたので、そちらの内容を共有した上で本題に入っていきます。プロジェクトに応募するにあたっては、

1. 団員自らの意思で参加応募を出すこと
2. 参加にあたり企業に動機や思いを伝えること
3. 期間内のワークに対する金銭的報酬はないこと

の3点を提示しました。

この中で、2の参加にあたり『企業に動機や思いを伝えること』については、だんだん複業団が掲げる『企業と人材が「だんだん」とお互いに分かり合い、関わった人たちが笑顔で『ありがとう』と想い合い、お互いを好きになってもらいたい』というコンセプトに沿った内容であると言えます。もう一つ、プロジェクトを進行するにあたっては、

1. 1ワーク2時間までにすること
2. 各チームでアジェンダ設定等の進行をすること
3. ワークの最後に1つアウトプットを出すこと

の3点を提示しました。

この中で、2の『各チームでアジェンダ設定等の進行をすること』については、個人やチームの自律性や主体性を最大限に活かせるプロジェクトにしたいと、事務局が『こうしてください!』『こうしたらどうですか?』ということは基本的になく、あくまで企業・団員によるチームで『何をゴール・成果物とするか』『誰が何をいつまでにどのようにやるか』を意思決定してもらうことを重視しました。

これらの前提条件があった中で進められた3ヶ月間のプロジェクトで見えてきた『市内企業と複業人材による共創の可能性』はどのようなことがあるのか。3つの視点と3つの項目で整理をしてみました。」

①企業視点

1.自社にはない経験・スキル・視点・価値観と出会う機会に
2.自社にとって新しいこと(0→1)をはじめるきっかけに
3.既存のパートナーや外注先とは異なる関係性の構築に

②複業人材視点

1.仕事でもプライベートでもない第3の自分を表現する機会に
2.専門性の融合と創造性の探究の2つが同時に起こるきっかけに
3.自分自身の新しいワークスタイル(働き方)の構築に

③自治体視点

1.その地域により深く関わる「関係人口創出」の機会に
2.外部人材活用を軸にした企業支援の仕組みに
3.企業課題を超えた地域課題へのアプローチに

その上で、3つの視点に対して参加者にフィードバックコメントを投げかけてみました。

①企業視点

大学サポート・垰社長)
3つともその通りだなと感じました。特に弊社の場合だと、今回、新しいこと(0→1)をはじめるきっかけにはなって、重要度は高いけど緊急度は低い、後回しになってしまっていたことに着手できました。一方で、人材の皆さんからもらうことばかりだったなと感じているので、企業としてお返しできることは何かを考えなきゃいけないなと感じています。

ディライトアップ・森川さん)
私も垰社長と同じで、今回ご一緒した皆さんからたくさんのギブをしていただきました。今後、皆さんへの恩返しがどれだけできるか、それが共創する上では大事なことだと思っています。

②複業人材視点

大学サポートチーム 団員・土屋さん)
ポジティブな見方でないかもしれないですが、私は今回、自分のスキルの不足や思考の偏りみたいなものを痛感する時間になりました。というのも、就職してから今所属している会社のことしか知らないこともあり、議論の進め方や意見の視点など、すべてが自分のこれまでの当たり前と違う部分がありました。皆さんとの時間を通じて、勉強になることばかりでした。

ディライトアップチーム 団員・水野さん)
私は全てが「複業」だと思って活動していて、違うのは報酬があるかないかだけなんです。今回は社会貢献みたいなマインドで志願をしました。結局は、「先に支払う」を意味する「ペイフォワード」的な考え方で、私から何かギブしたとしても、私個人に返ってこなくてもよく、社会全体に広く循環していく方が良いなと思っています。

ディライトアップチーム 団員・清水さん)
私は報酬がないからこその価値があると今回思いました。報酬があることで責任が生まれて動くのと同じように、報酬がないから見返りじゃないものによって動くはずで、おそらくそれは本当に自分のやりたいことなんだろうと思います。それをディライトアップさんとの関係で実現できたら一番嬉しいですね。

ディライトアップチーム 団員・髙石さん)
私はブランディングや商品化の仕事をしているわけではないので、今回のプロジェクトは本業とは遠いものでした。そのため、一人だったら多分応募できていなかったと思いますが、いろんなスキル・経験を持った人たちと一緒にできるのであれば、小さなことでも貢献できることはあるんじゃないかと思って応募しました。結果的に、メンバーの皆さんから吸収できるものが多くあり、自分のできることを改めて考える機会にもなりました。

③自治体視点

だんだん複業団 地域コーディネーター・稲見さん)
日本全国で人口減少が課題になっていて、特に地方の自治体は何もしなければどんどん人材は都市部に流れてしまい、残った地域の人だけで地域課題の解決や地域の活性化を担っていかないといけない。それが続いてしまったら、どこかのタイミングでは希望がない状態にまでなってしまうと思います。
それでもここ数年のテレワークやワーケーションなどの浸透で、地域外の人が地域との関わりを気軽に持てるようになったのが、地域にとっては希望になっている気がします。今回プロジェクトに参加してくださった団員の皆さんのような人たちが自身の経験や視点を入れてくださることで、これまで地域になかった視点や視野が生まれていくんだと思っています。

今後に向けての課題と共創を成果にしていくための要素

参加者の意見・アイデアもいただきながら、市内企業と複業人材による共創の可能性について考察した上で、最後に今後に向けての課題と共創を成果につなげていくための3つの要素を事務局・萬里小路からお話しました。

「今後に向けての課題として以下の3つがあると考えられます。
市内企業:事業化・商品化等に向けたステップ(1→10)をどのように進めるか=売上や利益など目にみえる成果の創出
複業人材:企業との継続的な関わり方をどのようにつくるか=金銭的報酬等がある正式な複業という働き方の実現
自治体:点から線(市内企業への波及)、さらに線から面(企業課題+地域課題の解決)への拡大

さらに、共創を成果につなげていくために以下の3つの要素があると考えられます。
①経済性(企業や事業の成長など)
②個人性(一人ひとりのやりがいや好奇心など)
③社会性(コミュニティの形成や意義の可視化など)

この3つの要素がうまく組み合わさることで、上記の課題をクリアすることができ、市内企業・複業人材・自治体の3者がwin-win-winとなるのではないでしょうか。そして、だんだん複業団はその3つの要素が組み合わさる機能を兼ね備えた事業であると思っています。」

だんだん複業団事業全体の可能性にも言及した上で、90分のイベントはあっという間に終了しました。以上、共創プロジェクトプログラム「成果発表イベント」の後編レポートでした。最後までお読みいただきありがとうございました。だんだん。

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