複数のさまざまな業界を渡り歩き、現在はスタートアップの事業統括をされている島田さん。2020年度と2021年度に参加し、2社とマッチングしました。
島田さんプロフィール
2021年5月まで人材系ベンチャーで企業の採用ブランディングに従事。 複業が後押しとなり転職を決意し、2021年6月から業界未経験ながら興味のあったD2Cスタートアップで事業統括を担う。 東京の企業に勤めながら、愛媛県松山市や香川県高松市など、四国の企業を中心に複業実践中。令和2年度「だんだん複業団」でマッチングした松山市の企業では、採用関連のWebページやマーケティングコンテンツの制作ディレクションを担当。コロナ禍で3ヶ月間自宅に戻らない暮らしをし、 現在は四国に拠点を構えて、横浜との二拠点生活を送ろうと計画中。
– だんだん複業団に参加した理由を教えてください。
だんだん複業団に参加した理由は大きく二つあります。
一番は「瀬戸内の魅力に魅せられたから」です。だんだん複業団と似たようなプロジェクトが高松であり、ほぼ初めて四国を訪れたのですが、それを機に3ヶ月に1度は四国に来るようになりご縁ができました。いまでは「四国で多拠点生活や移住をしたい」と考えるほど、瀬戸内の雰囲気が自分に合っていると思います。だんだん複業団を通して松山の魅力に触れたので、松山市も多拠点生活や移住の候補地の一つとして考えています。
もう一つの理由は、「会社員としての仕事だけでなく、個人として仕事の幅を広げて別の収益の柱をつくっていきたい」と考えたからです。自分がこれまで様々な領域のビジネスで培ってきたスキルや経験を本業以外でどう活かすことができるのか、やってみないとわからないので、いきなり会社を辞めて独立する選択をするのではなく、「まずは複業というスタイルで色々と試しながら、小さな成功体験や自信を積み重ねていこう!」と考えました。
– 参加してみて印象に残っていることはありましたか?
2020年度からだんだん複業団に参加していますが、プロジェクトで出会う松山市の経営者の皆さんは複業人材の活用に意欲的で、新しい取り組みにあまり抵抗感がないように感じました。地域の外からの視点や都市部の人材のスキルやノウハウを活かし、「自社の事業にしっかりコミットしてもらいたい」というような、事業や人材に真剣に向き合う姿勢を強く感じたことが印象に残っています。
また、私はこれまで様々な地域で複業を経験していますが、フィールドワークに参加して実際に松山市の企業を訪ねてみると、想像より遥かにユニークで独自性のある事業を展開している企業が多いことに驚かされました。ある領域において国内で高いシェアを誇る企業や、全国各地に顧客がいるSaaS事業を展開している企業など、今まで知らなかった優良企業がたくさんあり、松山市の企業の可能性を肌で感じました。
– プロジェクトに参加してみて、学びや自身の変化や発見はありましたか?
フィールドワークに参加して直接会って話を伺うと、経営者の皆さんの本音を知ることができます。初対面の人に経営課題や自社の問題点を赤裸々に話すことには多少の抵抗感があると思いますし、オンラインだとなおさら難しいですよね。短い時間であっても直接会ってディスカッションし、プロジェクト参加段階から信頼関係を築いていくことが大切だと改めて気づきました。
また、地域の企業が私たちのような個人に仕事を依頼し、頼ってくれる一つの理由として、「気軽に相談できる関係性があり、かゆいところに手が届く対応をしてくれる」というのがあると感じます。地域の経営者の方とお話をしていると、ご自身で様々な仕事を抱え過ぎてしまっていたり、当初は課題として認識していなかった所に課題感があったりすることも少なくありません。実際に蓋を開けてみると経営者の困りごとは多岐にわたることも多く、そうしたことを理解して一つひとつ課題を解決したり、業務を整えていったりすることで、企業様からも信頼を得やすくなりました。
– 2022年度、だんだん複業団でやりたいことはありますか?
松山という土地で頑張っている企業同士が連携を深め、地域の魅力を高めたり発信したりしていく取り組みを支援できればと思っています。労働人口やマーケットの観点で、地域の企業が単独で成長を続けていくには限界があると思うので、様々なノウハウやリソースを共有しながら、地域の中で企業の枠を超えた連携をしていくことが必要だと思います。複業人材や企業間の交流から様々なアイデアが生まれて協働が実現する可能性もあるので、企業にとってメリットは大きいですし、将来的にだんだんコミュニティがそうした役割を担うようになったら面白いですね。
地域の外からの客観的な視点を持ち合わせているからこそ、地域の新たな魅力を発見できたり、フラットな立場で地域全体を良くしていく提言ができたりすることもあると思うので、何かしらの方法で自分がそこに携わっていければと考えています。
以上、島田さんのインタビューでした。ご協力ありがとうございました。