参加者インタビュー:Aさん(会社員)

転職経験もなければ、複業経験もない。でも、会社員としての本業だけじゃなく“個人としての活動”も充実させたい。新卒で入社した企業に長年勤めてきたAさんは、専門的なスキルはもたなくとも、だんだん複業団でマッチングした1社の企業に貢献しています。

Aさんプロフィール

新卒で入社した鉄道や不動産などの事業を展開する大手企業に20年以上勤務。営業部門で商品企画を経験した後、経営企画部門でバックオフィス系の業務に携わる。これまでに担当した業務は、経営方針・経営計画の策定や、それらをグループ内外へ情報発信するための資料作成など。 自分のスキルは言語化しづらいと感じていたが、「会社員」以外の「個人」としての価値を高めるべく、旅先で好きになった愛媛県松山市のだんだん複業団に参画。

だんだん複業団に参加した理由を教えてください。

関西で生まれ育ち、現在も関西に住んでいるのですが、旅先で訪れた松山は住みやすいまちだなと感じ、「仕事さえ見つかれば、いずれ松山に住んでみたいな」と思うようになりました。その日から「松山 移住」などで検索したりし始めて、チャンスを探していたところ、だんだん複業団の取り組みを知りました。ただ、私が培ってきたキャリアは事務系の裏方業務が中心なので、「マーケティングのプロです!」みたいなわかりやすく表現できるものもなく…その時は応募に至りませんでした。

少し話は脱線しますが、私、韓国のK-POPグループのBTSが好きなんです。昨年、彼らは人気絶頂の中「グループの活動と並行して、個人での活動も充実させたい」と表明しました。「“個人の活動”かぁ…」。新卒から約20年間、同じ会社でキャリアを形成してきたけれど、自分は何か個人として活動できているのかなと思いました。会社にも仕事内容にも不満はなく、転職を考えたこともない。特筆する専門的なスキルがあるわけではないけど、「個人」として社会で活躍してみたい!1社しか経験がない自分でも市場に出た時に何ができるか知りたい!と思いました。

そこで、会社員として働きながらできる個人活動として「複業」は無理なくできるのではと思い、以前から気になっていた「だんだん複業団」に応募することにしました。

参加してみて印象に残っていることはありましたか?

複業も地域の企業と深く関わることも初めてで、多くのことを学ばせてもらいました。たとえば、企業規模によるビジネスの考え方の相違や、特にスタートアップのような企業ではアイデアひとつでビジネスが生まれていく様子も目の当たりにし、とても刺激になりました。

「このスキルなら貢献できる!」という具体的なものはなかったけれど、松山の市内企業の経営者に直接会って話ができる現地フィールドワークにはフットワーク軽く参加しました。そこで直感的に「おもしろそう!」と感じた企業には時間をかけて提案シートを書き、応募してみました。

「絶対に複業を実現したい!」というより、自分の今できることで力を発揮できる企業とご一緒できるといいなというスタンスでいました。結果的に、そんなスタンスを受け入れてくださる企業とマッチングして複業することとなり、自信がもてました。

現地フィールドワークで市内企業の経営者から思いと課題を聞く様子

– プロジェクトに参加してみて、学びや自身の変化や発見はありましたか?

本業では顔を合わせて仕事をすることが多いのですが、だんだん複業団でマッチングした企業とはフルリモートでのコミュニケーションだったので、当初はちゃんとできるかなと戸惑いもありました。それでも何度か打ち合わせをしていくとだんだん慣れてきて、一人で業務を前に進める推進力は身についたと感じています。

また、企業に提案する際には、自分の仕事がいくらなのかという「価格」をつけなければなりません。これは会社員として働いているだけではなかなか経験できないことで、だんだん複業団への参加を通じて自分自身の価値って何だろうということを見直すきっかけになりました。

最初のBTSの話ではないですが、複業を通じて個人としての活動が充実してきたことで、生活にハリが出てきたなと感じています(笑)。自分に任された仕事に対して責任をもって対応することで、自分の存在意義を感じるようになって、今まで以上に自分に自信がもてたように感じています。

これからだんだん複業団に応募しようとしている人へ

だんだん複業団に参加する企業は、いろいろな思いや背景をもっていて、さまざまな課題を抱えています。営業やマーケティングなどの専門的なスキルがなく、複業が初めての私でも、企業の思いや課題に寄り添い、一緒に解決に向かいたいという思いと姿勢をきちんと企業に伝えたことで、マッチングすることができたと思っています。
「自分には特別なスキルがないから複業はできない」と決めつけず、ありのままの自分でまずは参加してみても良いかと思います。参加するだけでもいろんな方との出会いがあるので刺激になるはずです。

複業と言っても、その関わり方の答えはひとつではないと思います。私は、企業の課題を自分ごととしてとらえることを大事にしていて、その上で私にできることをひとつずつ提示して、関わり方を模索しています。複業や地域での活動に興味を持っている方は、まず飛び込んでみて、「個人としての活動」を充実してみてはどうでしょうか。

だんだん複業団は企業だけでなく、同じように地域での活動に関心のある人たちとの出会いがある


以上、Aさんのインタビューでした。ご協力ありがとうございました。

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