「なぜいま松山市内企業が複業人材に注目しているのか」 だんだん複業団 キックオフセミナー【イベントレポート】

こんにちは。「だんだん複業団」事務局の萬里小路(までのこうじ)です。
令和4年度だんだん複業団プロジェクトのキックオフとなる松山市内企業向けセミナー「なぜいま松山市内企業が複業人材に注目しているのか -約200名の都市部人材が参加するだんだん複業団-」を7月20日に松山市内で開催しました。

本セミナーでお話したことやトークセッションの内容をまとめたレポートになります。人手・人材不足で悩んでいる、都市部などに住みながら地域で複業をしたいと考える人材とパートナーとして課題を解決したい松山市内企業の方々に読んでいただけたら幸いです。

だんだん複業団について

今年で3年目を迎えるだんだん複業団は、過去2年間で23社の松山市内企業と、主に都市部在住の会社員やフリーランスなど200名を超える複業人材に参加していただき、その内18社がマッチング(マッチング率78%)、40件のマッチングが生まれました。

多くの企業の人材確保は、現地での採用が基本的な考え方かと思いますが、この2年間でだんだん複業団のプロジェクトを通じて、参加した市内企業が複業人材と業務委託契約を結び、パートナーとして自社に関わってもらう機会となりました。

だんだん複業団の複業マッチングのスキーム

その背景として、都市部在住の人材目線で見ると、この2年間のコロナ禍で時間と場所にとらわれないリモートワークや副業・兼業という働き方が普及し、「自分が住む以外の地域に関わりたい」「自分の出身地やゆかりのある地域に関わりたい」というニーズが出てきました。また、地域の企業視点で見ると、既存の事業の成長だけでなく、新規事業や新商品の開発、ITの導入、業務効率化といった課題を抱える企業が増えており、それらの課題解決を専門的なスキル・経験を持った複業人材と解決したいというニーズが出てきました。

オープニング

セミナーの冒頭ではそのような背景の説明から、様々な企業課題を解決するためのだんだん複業団について、本事業の主催である松山市産業経済部地域経済課長の丹生谷氏と本事業の受託企業である株式会社パソナJOBHUBの植草氏から説明をしました。

株式会社パソナJOBHUBの植草氏

松山市の丹生谷氏からは、「コロナ禍の影響により、テレワークや副業、ワーケーションなどの多様な働き方が加速している中、WEB会議システムなどのオンラインツールを活用することで、居住地がどこであっても仕事ができる環境が生まれている」という社会的な背景から「都市部への人材や機能の集中に対するリスクも顕在化したことで、地方に拠点を移す企業が出てきたり、UターンやIターン、地域への転職を検討する人材が出てきている」という地方への人と企業の流れについて説明をしました。

次に、植草氏からは主に昨年度参加者の属性についての説明をしました。以下はセミナーで実際に紹介したスライドになります。

年代は30代〜50代で80%以上を占めていました

所属は会社員が60%以上、複業経験が約60%以上でした

職種は幅広いスキル・経験を持った人材がいました

東京都に続いて愛媛県出身者が多いということから、地元への貢献意識があることがわかります

居住地は都市部在住者で80%以上となりました

だんだん複業団は、一般的な「副業」ではなく「複業」としている理由として、本業と副業と明確に分けるのではなく、すべて本業という姿勢で企業と関わってほしいことや、地域で複業する時は能力・条件だけでマッチングするのではなく、企業と人材双方の人柄を理解し、思いに共感することを大事にしてほしいことを植草氏からお話していただきました。

だんだん複業団の複業マッチングは、能力・条件だけでなく共感・信頼によるマッチングを大事にしている

トークセッション

続いて、だんだん複業団の地域コーディネーターである中央会計株式会社の稲見氏をファシリテートで、昨年度の参加企業であるユナイテッドシルク株式会社の清谷氏、まどんなクリエイトの武市氏の2名をゲストにトークセッションを行いました。

昨年度の参加企業ユナイテッドシルク株式会社 清谷氏
まどんなクリエイト 武市氏

以下はトークセッションの話を簡単に整理した内容になります。

どのような人物像を求めていたか

  • コンサルティング、広報、デザインなど各分野ごとに強みや専門性がある方
  • 社員に近い存在で関係性を築いてくれる方
  • 自社のビジョンや事業に共感してくれる方
  • 愛媛や松山のことを好きな方 など

どのような関わり方を複業人材に期待していたか

  • 自社のことを理解して関わってくれる
  • 自社の将来のためにしっかり深堀りをしてくれる
  • 自身含めた社員のサポートをしてくれる
  • 案件のディレクションをしてくれる 
  • 考えていることを引き出してくれる
  • 自分に足りないところを補ってくれる など

マッチングするにあたって大切なことや気づいたことはあるか

  • できるだけ多くの方と面談すること
  • 松山と関わりたい、つながりたい、面白いことをしたいといった気持ちが強い方が共感しやすいこと
  • お金(報酬)以外の価値を求めている方が多くいたこと
  • 明確な課題だけでなく、ざっくりした課題に対してもいろんな視点で提案やアイデアをいただけること

だんだん複業団に参加してよかったこと

  • 複業人材を活用すると聞くと少し億劫になってしまうが、事務局にて課題や求める人物像の言語化、人材との面談調整などをしてくれ、人材と向き合う時間に集中ができたこと
  • 最終的に20人から100ページを超える提案シートが届き、自社についてこんなに考えてくれて応援してくれたこと
  • たくさんの方に自社のことや松山の企業のことを知っていただく機会になったこと
  • 普段なかなか出会えないような人たちとの出会いがあり、マッチングだけでない関係性ができたこと

といった内容を昨年度の参加企業2社からお話いただきました。

トークセッションの模様

最後に、稲見氏からトークセッションの総括として、「人材目線ではだんだん複業団に参加するにあたっては、松山市とつながりたい想いを持って市内企業に寄り添う気持ちが大切。そして、市内企業目線では人材の方からいろんな視点でアイデアや提案を出してくれるので、企業も課題が明確でなかったとしても「こんなことがしたい」と素直に思いを伝えることが大切。また、人材から届く提案シートだけでは本当にその人のことを理解することは難しいと思うので、フィールドワークなやマッチング面談などの直接お話できる時間の中で、いろんな話をしてお互いのことを理解してマッチングしてほしいと、お話をしていただきました。

なぜいま松山市内企業が複業人材に注目しているのか

最後にセミナータイトルの「なぜいま松山市内企業が複業人材に注目しているのか」という問いを考えてみます。一つは自社の課題を自分たちの視点だけでなく、外の視点を入れて解決したい点、もう一つは新規事業など何か新しいことにチャレンジするフェーズにあって、そのチャレンジをスキルと経験を持った複業人材と一緒に取り組みたい点の2つがこれまで参加している企業に共通しているのではないかと思います。

自社の成長や課題解決の一つの手段として、だんだん複業団にご参加いただき、いろんな人材の方と交流してみてはいかがでしょうか。マッチングの有無に限らず、複業人材の方との接点を通じて何かプラスになることがあるのではないかと思います。複業人材の方と一緒に自社の成長や企業課題の解決を目指す松山市内企業の参加をお待ちしております。

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